第3話 花と冒険者

パートC

 

王都から30kmほど、砂漠のど真ん中に地下迷宮はある


日も傾く時刻、あたしたちが到着すると

迷宮の入口には既に10前後の乗り物が駐車されており

冒険者たちが先に探索へ潜っていることが伺えた


付近の日陰には作戦会議をする冒険隊や

商人も居て少し賑わっていたが、異邦の者は目立つらしい


1人の冒険者がこちらに気付き、気さくに話しかけてきた

派手な女冒険者

「やっほー!ついに来たねぇ噂の冒険者」

 

ナスカ

「ヤホーっ♪知ってくれてるんだ、お姉さん」

 

派手な女冒険者

「この星の冒険者たちは皆噂してるヨ」

 

「なんでも超大型の砂蟲を倒した~とか、

 バグを蔑む奴らを一蹴した~とか…ね?」

 

ナスカ

「お~ぅ、あたしも有名人だねぇ~♪」

派手な女冒険者

「それとぉ…やっぱり探索に加わるんですか

 マンジュサ様…?」

 

マンジュサ

「うぐ…バレてらぁ…」

 

マンジュサ様は砂漠マントを深々と被って

身元を隠していたつもりだったが地元民には速攻でバレた

 

マンジュサ

「その大型砂蟲に襲われたのはウチ自身だし

 冒険が危険な事はま~じで痛感してるって~……」

 

「けどヒガンの星民のためにウチも行かないとダメ…」

 

「きっと、この傷の『歪み』が役にたつからさ」

 

マンジュサ様は勇んで語るが

最後の一言だけは首元の螺旋の傷を触りながら小さく呟いた

ナスカ

「……それで探索の方はどう?♪」

「面白いものはなにか見つかった?」

 

派手な女冒険者

「そうだなぁ、他所の星民にゃ珍しいものでもないんだろうけど」

「『花』…がたくさん見れるから新鮮だな、この迷宮」

 

「それ以外はなんちゃない、普通の迷宮」

 

ナスカ

「花ァ……なるほど?」

「それに普通の迷宮…か、ふむ」

 

「なら、このまま迷宮に潜っちゃおうよ♪」

「マンジュサ様も心の準備は良い?」

 

マンジュサ

「うん、覚悟は決まってるよ」

ナスカ

「お姉さんたちも来る?一時協力とか」

 

派手な女冒険者

「ワッオ♪ いいの?」

「まぁそうか、マンジュサ様の護衛は人数いた方が安心かね」

 

そういうとお姉さんはチームを組んでくれそうな人を

その場で集め始めた

ナスカ

「……単独行動は絶対危険だね、この迷宮」

 

マンジュサ

「えっ!?」

 

あたしは首元の螺旋の傷をギュッとつまんだ

 

この迷宮からは、敵意のような強い歪みを感じる

事前のデータにはなかった歪みの種類だ

 

ナスカ

「これは面白い冒険になりそうだね♪」

 

迷宮に入ると空気が一変した

 

外は砂漠っぽい乾燥した空気だったのに対し

中は湿潤で程よい気温である

 

迷宮は天井も高く広々とした空間で、そこかしこを草花が覆っている

藤やサクラのような木花も咲いており、まるで植物園のようだ

 

先の方は緩やかな勾配で下へと続いているらしい

 

ちょい髭の冒険者

「チーム組むってお前とかよっ」

 

ナスカ

「ありゃあ、さっきのおじさん冒険者!」

 

花鮮やかな迷宮を6人の冒険者たちが歩いていた

お姉さんが寄せ集めてきたのは

ベテランっぽい人が2人、若い青年冒険者が1人

その内1人は酒場で突っかかってきたおじさんだった

 

ちょい髭の冒険者

「それにマンジュサ様まで…」

「い、いや…あのマンジュサ様なら探索に加わるか」

マンジュサ

「…まぁホントはマジで待ってるだけの予定だったけど急遽変更」

「つまりドタキャンってワケ、…で、よろしくね♪」

 

王女様は裾を手で広げ、優雅に挨拶して見せた

冒険者たちは恐縮したのか苦笑いした

 

そんな雰囲気のまま迷宮を進み、いくつかの分かれ道を超えた

ナスカ

「わぉ、見て!」

「めっちゃ大っきな花だよ、一輪で7~8mぐらいない?」

 

派手な女冒険者

「おぉ、しかもうっすら光ってる」

「ちょっと奥に進んでいくだけでも、咲いてる花が全く変わってくんだな」



マンジュサ

「う~ん、おっかしいなぁ~

 やっぱりビミョ~に今朝の地形と変わってる気がする」

ちょい髭の冒険者

「なんだぁ、地形解析が上手くいかんかったですかね?」

 

「まぁ、データなんて修正をすればいいし

 そんなの大した問題じゃねぇんじゃ?」

 

ナスカ

「いや、どうだろ…みてみようよ」

 

マンジュサ様のデータを見比べてみると、

違和感通り階層がずれていたり、

道の角度などが変わっているのが確認できる

 

構造の微細な変化が、迷宮全域で起こっているらしい

ナスカ

「もしかして、この迷宮ゆっくりと動いてる?」

「絶え間なく変化をし続けて、まるで生きているみたい…」

 

ちょい髭の冒険者

「はっ!冗談だろっ そんな可笑しな事が起きるわけ…」

 

マンジュサ

「まぁ迷宮の奥に眠るのは聖樹枝だし?

 ありえなくないかカモ…!」

 

「退路を断たれないよぅ、注意すんよ」

 

ちょい髭の冒険者

「りょ、了解ッ…!」

 

マンジュサ様が諭すと、おじさんは口を慎んだ

金髪の青年冒険者

「おじ様、すんなり黙っちゃいましたね」

 

ベテラン風の冒険者

「こいつぁ昔、酒場でベロンベロンに

 酔って大やらかしをしてな~」

 

「言うに事欠いて幼き頃のマンジュサ様のお話を

 『お戯言』と言ってしまってね」

 

「次の日、近衛隊長と酒場店主から大目玉!

  以降、王家に対してずっとこんなだ」

 

突然の黒歴史曝露に、髭のおじさんがグヌヌと唸った

それを見て皆は思わず笑ってしまった

ナスカ

「あはっ♪ 失言は止められない性なんだねぇ」

 

「……でも結局、

 どういうお話をお戯言って言っちゃったの?」

 

「――サボテンを緑の人間だと思って

 話しかけだら踊り出した…とか!?」

 

ちょい髭の冒険者

「お、覚えてねぇよ…!

 その時は酔ってんだからよぉチクショウ…」

 

ベテラン風の冒険者

「オレもオチの印象が強くって覚えてないな、なんでしたっけ」

 

マンジュサ様は少し間を空けた後、目を合わさずに言った

マンジュサ

「『小さな花と楽しくお喋りをしたんだ』」

 

「……だったかな~」

 

ナスカ

「花とお喋り…」

 

「………」

ナスカ

「それって王家の伝説ってやつと似てるくない?」

 

金髪の青年冒険者

「伝説?って、あぁ~…」

「王家の中でごく稀に現れる『花の歌に踊る』者の話ですか?」

 

ナスカ

「そうそう!それって花の歌が聞こえるってことでしょ」

「つまるところ~、花とお喋りもできんじゃん?」

 

マンジュサ

「………」

 

あたしの発言で、皆の視線がマンジュサ様に集まった

 

確かに「花とお喋り」ってだけ聞くと子供の戯言だし、

インパクトも弱くて、誰もそれを超常現象とは思わない

 

―――だけど

ナスカ

「『歪み』を持つバグの発言だと考えたら合点がいく

 マンジュサ様は『花と会話できる』んだ」

 

「マンジュサ様が『花の歌に踊る』者なんだね」

 

彼女は目を瞑り少し考え、ため息交じりに答えた

 

マンジュサ

「マジか…」

「マジで、バレちゃった」

マンジュサ

「まさかこんな小さなエピソードから辿り着くなんてぇ…」

 

マンジュサ様はバレたことがショックだったらしい

ガクッと肩を落とした

 

マンジュサ

「やるね~♪」

「たしかに…あんたの言う通りよ」

 

「物心着いた時からウチの周りには小さな花が居てサ…

 一緒に喋ったり、耳元で何かを囁やかれたり…」

 

「マブの友達だったんだよ」

 

ちょい髭の冒険者

「あの話は本当だったんですかい…」

マンジュサ

「ヘンな事言って皆からハブられないように、

 このことは周りに話すなってパパに言われていたけどさ」

 

「あの時はまだウチもガキんちょだったからね」

 

ナスカ

「……バグへの偏見は、しばしばハードだからねぇ」

「わかるよ」



マンジュサ様は先頭に乗り出し、振り返らずに言う

 

マンジュサ

「だけどナスカの夢を聞いて思ったよ」

「ウチもこの短い命の、その全てを夢に賭けたいってね」

 

「そっちの方がイケてんじゃん?」

 

「ウチの夢は惑星ヒガンの発展

 夢の為ならさ、この『歪み』の力を使いたいんだ」

 

ナスカ

「歪みの力…」

「花とお喋りができるって力のこと?」



マンジュサ

「そう、ホントは聖樹の枝を見つけた後で

 公表しようと思ったんだけどさ」

 

「ここでバレちゃったんなら、お披露目しちゃおうかなっ?☆」

そういうとマンジュサ様は

こっちに背中を向けたまま優雅にお辞儀をした

 

するとそのお辞儀に反応するように

道脇の茂みからニョキニョキと植物の茎が伸び

蕾からいくつもの花を咲かせた

 

ナスカ

「えぁ…っ!? は、花…?」

 

マンジュサ

「そう、ウチのマブダチたち

 この迷宮の花たちはノリが良いんよね」

 

マンジュサ様は花の方に近づき、それを撫でながら語った

 

マンジュサ

「何を隠そう、迷宮や聖樹の枝の事を教えてくれたのも花たちだし」

「冒険のお触れを出すことを提案したのも彼らなんだッ!」

 

ナスカ

「提案…?…今、提案って言った?」

 

マンジュサ

「そうだよ、すごい頼りになってんよね」

 

「ナスカに同行するアイディアだって

 この子たちが提案してくれたんだから」

 

あたしは、全身の螺旋の傷がザワザワ疼くのを、感じた

マンジュサ

「ほら、今もあんたたちのこと喋ってる!」

 

ナスカ

「なんて、言ってるの? 」

「今、その花たちは、なんて…!?」

 

マンジュサ

「ん? それはもう、皆を連れてきてすっごい感謝してるって!」

 

そういってマンジュサ様は振り返った

 

マンジュサ

「『会いたかったよ、ナスカ・テンタクルス』」

「ナスカにもそう挨拶をしてんだよ!」

 

しかし彼女の顔は人間のそれではなかった

顔を覆いつくす程の花の形はいびつで、

ダラリと溶けたように垂れていた

 

しまった! …と思った時には既に、

あたしたちは身の丈以上にもなる

カラフルな花たちに囲まれていた

金髪の青年冒険者

「うわぁあああ!

 な、なんなんだコイツらぁ!」

 

ベテラン風の冒険者

「こいつらどんどん伸びてやがる!

 退路も…ダメだ、塞がれた…!」

 

ヒガンの冒険者たちは冷静さを失っているらしい

青年なんかは腰を抜かしてパニック状態だった

 

ちょい髭の冒険者

「マンジュサ様、これはいったい何のつもりですか!?」

マンジュサ

「何ノつもりッてこノ惑星ヒガンの幸せの為ヨ!」

 

マンジュサ様はモゴモゴとした声で答えた

 

マンジュサ?

「キャハハハッハ♪」

「聖樹ノ枝は偉大な力!冒険者ノ希望を食ベテ、大きく育ツ!」

 

「育テば、ボクたち『花』!宇宙ヲ支配、できル!」

 

ナスカ

「………」

 

あたしは手首の螺旋の傷に触りながら、周りをよく観察した

よく見たらいつの間にかお姉さん冒険者の姿もない

 

あたしにすら気付かれないように攫うとは…

かなり妙な気分だ

ちょい髭の冒険者

「ボクたち花?宇宙を支配?冒険者の希望を食べるぅ…!?」

「マンジュサ様…!ホントにあなたなのかぁ!?」



ベテラン風の冒険者

「だがこの状況、この発言…!例え王女様だとしても到底…ッ」

「到底、我々の味方には思えん! かくなる上は…!」

 

おじさん冒険者たちは光線銃を構え、

標準を王女様に合わせた

 

それに抵抗するように花々は

鋭く長い針状のツルを槍のように突き伸ばしてきた

 

冒険者たち

「うおおおぉおおお!」

まさにツルが我らを貫こうする瞬間…

2人がトリガーを引くその刹那…ッ!

 

ナスカ

「ダメ!落ち着いて―――っ!」

 

あたしは腹から叫んだ

 

その声量は凄まじく、空気が揺れるほどに響いた

その大音量に2人はびっくり顔のまま、のけ反ってしまう

 

ちょい髭の冒険者

「へ?……あ、れ?」

ちょい髭の冒険者

「――――攻撃してきたツルは…?」

 

目前に迫っていたツルは気付いたら露と消えており、

なんならあたしたちを囲っていた花々も

元から居なかったかのように消えてなくなっていた

 

ナスカ

「というか、元から居なかったんだよ実際」

 

「見て」

 

金髪の青年冒険者

「く、来るなぁあああ!うわあああ!」

 

そこには青年冒険者が泣き叫んでいたが

目元はマンジュサ様と同様に

歪んだ花で完全に覆われ、両耳からは小さな花々が生えていた

あたしがその花々をグイッと抜いてあげると

青年はおじさんたち同様、キョトン顔で口をパクパクさせた

 

長髪の青年冒険者

「あ、あれぇ…あの…え!?花たちは!?」

 

ナスカ

「ふむぅ…たぶん幻覚と幻聴だね」

 

「この迷宮の花…と、いうかその親玉である『聖樹の枝』は

 精神に関する『理の歪み』を持っているっぽい」

 

「人間の心とか認知に干渉することができるんだね」

 

あたしたちは気付かないうちに目と耳を花で覆われて

花たちに惑わされていたようだった

 

ナスカ

「マンジュサ様もお姉さんも無事だよ、外傷もないみたい」

 

会話に居ないなと思っていたお姉さん冒険者も

攫われていたように見せかけられていただけで

ちょっと離れた所で気を失っていた



マンジュサ

「うぅ…あれ…?」

「ここ……、迷宮…」

 

「ウチ、迷宮に入って…それから…?」

 

ナスカ

「大丈夫だよ、マンジュサ様」

「あいつら、花に幻覚を見せられていたみたい」

ナスカ

「ほら?手ぇ握って、深呼吸」

 

あたしはマンジュサ様の胸に手を当て

『歪み』の強度を『視てみた』

 

精神への干渉は短時間だったからか

幸い『心』に関する歪みはほとんど無いようだった

 

マンジュサ

「ごめん、ウチ…

 花の言葉にまんまと乗せられて…ナスカを迷宮に誘っちゃみたい…」

 

ナスカ

「あたしの意思決定はあたしだけのもの」

「気にしてないから、ほら気張って気張って」

 

「後悔するのもあとあとっ!」

 

マンジュサ

「うぅ…」

ナスカ

「お姉さんの方はどう?」

 

ベテラン風の冒険者

「こりゃあ、ショックで気絶ってところだな」

 

「―――これじゃ探索の続行は厳しいだろうよ」

 

「引き返すにしたって1人は意識のない状態だ、どうする…!?」

 

ちょい髭の冒険者

「おいおい! なんなんだ、この迷宮…!」

「精神的にこっち乱してきて…キケンだらけじゃねぇか!」

金髪の青年冒険者

「なんですかこれ…!?」

「バケモンとかじゃなくて、幻覚なんてさぁ…!」

 

「もう訳分かんないですよ…!

 無事に帰れないかも知れないですし…!」

 

ナスカ

「…………」

 

迷宮も奥まり、未知の敵に敵意を向けられ

無事に帰還できるかもわからない、この状況

 

3人の男は完全に戦意喪失しているようだった

だから、あたしは超振りかぶって

3人に全力のビンタをお見舞いした…ッ!

 

その間、わずか1秒

訳も分からないであろう3人は突然、

誇張なしで10mはぶっ飛んだ

 

男3人

「ブグオァアッッ!」

 

ドォーーンッ!

 

当然、壁に激突!

痛そうな音が辺りに響いた

 

そしてボロボロになった男たちは

情けない声を挙げて戻ってくる

ちょい髭の冒険者

「何すんだてめぇ――――ッ!?」

 

ナスカ

「あはっ♪」

「痛かった?」

 

ベテラン風の冒険者

「痛ぇっていうか…意識、飛んだぞ!!!」

「その細腕で…どど、どういうことだおめぇ!?」

 

ナスカ

「『痛み』だよ」

「『心』に作用する歪みの力でも、

 肉体的な痛みには勝てないからさ」

 

「その痛みが引かない内は、花の幻覚もみなくなる」

ナスカ

「『花』たちにもし物理的な攻撃方法があれば

 幻術見せてる間に、あたしたちを殺していたんだろうけどォ…

 実際、あたしたちは無傷で生きてる」

 

男3人

「無傷ぅ…ッ?」

 

ナスカ

「つまり花たちには、幻術以外の攻撃はないということ

 幻術対策してれば無事に帰れるはずだよ」

 

ビンタには『歪みを含ませておいた』から、

優にあと5時間はビリビリするだろうし

おじさんたちは安全に王都まで帰りつくことはできるだろう

ナスカ

「だから3人はお姉さんを連れて地上に帰って」

 

「あたしはマンジュサ様をつれて最奥へ行ってくる」

 

ちょい髭の冒険者

「えぇ!?な、なんでだよ!?」

 

「この迷宮は未解明な所が多すぎる!」 

「マンジュサ様も手負いで…負傷者も1人

 オレらと一緒に一旦地上へ帰るべきだ!!」

 

マンジュサ

「いや、ナスカの言う通りじゃん?」

 

ヨロヨロのマンジュサ様が力を振り絞るように叫ぶ

マンジュサ

「ウチらは1秒でも早く…

 最下層にある聖樹の枝を見つけるべきだよ…ッ!!」



「『花』はナスカのこと迷宮に誘い込むぐらい、

 マジに敵視してるんじゃん?」

 

「しかも彼女は幻覚すらブッ飛ばしたんだ」

 

「今カチコミにいかないと絶対に対策を打たれる…!

 奴らの心臓部…聖樹の枝を止めないと…!!」



ベテラン風の冒険者

「――だけどこれ以上危険な奥にいくなんて…!」

ちょい髭の冒険者

「………」

「いやそれしか方法はないのかも知れねぇ…」

 

「2人だけでなんて、無謀なもんだが…」



「ナスカ・テンタクルス…

 あんたが付いてれば…不思議と大丈夫な気がするぜ」

 

ナスカ

「ふふーん♪」

「 王女様はあたしに任せておきなよ」

 

「おじさんたちなら絶対に無事に帰還できるから!」

「油断だけはしないでねっ」

 

お姉さんを担いだおじさんたちが静かに頷く

 

ナスカ

「それじゃあ、行こう!」

 

あたしたちは振り返って、迷宮の奥へと歩みを進める

 

幻覚に惑わされないよう、

手を強く握りあって茂草の中を歩いた

 

第1話  花と冒険者

Cパート